[Absentminded border line.] by Masaomi Serizawa
November 27th,200X
寝起きは悪い。いつだって悪い。
だが、これほどまでに最悪な目覚めの経験は、今まで無かった。
[Absentminded border line.] by Masaomi Serizawa
November 27th,200X
寝起きは悪い。いつだって悪い。
だが、これほどまでに最悪な目覚めの経験は、今まで無かった。
[I obtain you this evening.]
November 27th,200X
「はい、芹沢です……」
呼び出し音を10回近く聞かされた後で、ようやく不機嫌そうな男の声が出た。
携帯電話に添えられた、柳漣の口元が自然に綻ぶ。
[It was Pandora’s box that he opened.]
November 16th,200X
バスルームから、シャワーの水音が絶えること無く響いている。
柳漣はクリーニングから引き取ってきたばかりの服を脱衣所に置くと、台所に向かい朝食の支度を始めた。
[Omen of a long nightmare.] by Masaomi Serizawa
November 16th,200X
素肌に触れる、シーツの肌触りが違った。
ホテルのシーツはもっとこう、糊が利いた無機質な感じで……だからこの優しく温かい感触は、家庭特有のものだ。
[Worst holiday, Best night]
November 15th,200X
その夜、柳漣は雨の降りしきる、繁華街の路地裏を歩いていた。
[What would he watch in my face?] by Masaomi Serizawa
November 2nd,200X
俺には好んで男を愛でるような趣味は無い。断じて無い。
だが、その日最後の客となった「彼」の寝顔は、とても美しかった。
[Scene of the always same morning.]
December 12th,200X
如月柳漣(きさらぎゆうれん)がリビングに顔を出したのは、午前9時55分だった。
[Two sins that he committed.]
叶わぬ恋に身を焦がすことが、許されないのだとしたら
ああ、神様、どうすれば、あの人を諦めることができるのですか……?
[Beauty and the Beast.]
柳漣がマンションに戻ったのは、午前7時を少し回った頃だった。