Reverie?
「ね、雅臣、見て……」

 嬉しそうな声で、柳漣は派手な緋色の打掛を手に取った。
「ふん、それがどうした」
 元旦の朝から、ビールをあおっていた雅臣は、うんざりした顔で
それを見ると、不機嫌そうに鼻を鳴らす。
「初詣、行こうよ」
「ひとりで勝手に行け。俺は付き合わん」
「ダメだよ。一緒に交通安全祈願もしないと……」
「断る。俺は神仏は信じない」

「どうしても雅臣は出掛けたくないんだね」
「しつこい。さっきからそう言ってる」
「……じゃあ」
 むすっとした雅臣を見て、柳漣は薄い笑みを浮かべる。
 嫌な予感に、雅臣は露骨に眉をしかめた。
「姫はじめ……しよう」
 有無を言わさず唇を重ねると、そのまま床に崩れていった。


超身内限定で配布した2008年の年賀状に載せた小話です。
本編もこんな展開になるのでしょうか……?
(2008/1/29)